友人が一気に5人も結婚するのだ。
こ、これがシンクロニシティってヤツなんだろうか…
結婚式でのビターなメモリー。
2年程前に友人の結婚式で演奏を頼まれた。
普段ろくでもない格好で生活している俺は、スーツを着こなすことによって皆に「油断してたのかい、ボウヤ」と生きざまを見せつけるつもりだった。
しかし更衣室でスーツを着用してみると…
おかしい。デカい。俺が縮んだのか。
いや、親父のスーツだ。
何故俺が持っている?
いや、何故俺がこんな目に?
いいだろう、ピンチをチャンスに変えてやろうじゃないか。
胸元で腕を組んでいればだいぶごまかせる。
演奏中はドラムセットに隠れて見えない。
よし、イケる。限りなく自然だ。バレてなんかいない。
俺のプランはいつだって完璧だった。今回だってそうさ。
…そして結婚式が終わった!
数日後出来上がった写真の数々。
そこには演奏中以外は全て腕を組んでいる、明らかに不自然な俺の姿が写っていた…